家事をしない夫との離婚率は?夫婦関係への影響と解決策を徹底解説
あなたは「共働きなのに家事を全くしない夫に、もう限界」と思ったことはありませんか?結論、家事をしない夫は離婚率が高いとされています。この記事を読むことで家事をしない夫との離婚率や原因、対処法がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
1.家事をしない夫と離婚率の関係

家事をしない夫が離婚率に与える影響
家事をしない夫がいる家庭は、離婚率が高くなる傾向があります。
家事をしない夫だから離婚率が高くなるのではありません。
任せた家事や役割をしない夫を信頼できなくなり、不安になるから離婚を考えるのです。
共働き世帯が増加する中、家事の負担が一方的に妻にかかる状況が続くと、妻は大きなストレスを感じます。
仕事と家事の両立に疲れ果て、「もう限界」と感じる妻が増えているのが現状です。
家事分担の偏りは、夫婦の信頼関係を損なう大きな要因となっています。
調査によると、共働き夫婦の約8割が「妻の家事負担が7割以上」と回答しており、家事分担の偏りが深刻な問題となっています。
同居期間5年未満の離婚が最も多い理由
厚生労働省の統計によると、同居期間5年未満の夫婦の離婚が最も多くなっています。
令和5年の離婚件数約18万組のうち、同居期間5年未満の離婚が約3割を占めています。
結婚して5年未満に離婚する夫婦が一番多いということです。
この時期は、出産や子育てが始まる時期と重なっています。
共働きで家事と育児の負担が増える中、夫が家事を分担しないことで妻の不満が爆発するのです。
子どもが生まれると家事の量は大幅に増加します。
料理、洗濯、掃除に加えて、育児の負担も加わります。
この時期に夫が家事を分担しないと、妻は一人で抱え込むことになり、心身ともに限界を迎えてしまうのです。
熟年離婚が増加している背景
近年、同居期間20年以上の熟年離婚が増加傾向にあります。
離婚全体の約21.5%を占めており、この割合はここ数年増加し続けています。
熟年離婚が増えている理由の一つに、長年にわたる家事分担の不満の蓄積があります。
「子どものために我慢してきたが、子どもが独立したので離婚したい」という女性が増えているのです。
2008年に始まった年金分割制度も、熟年離婚を増やすきっかけになりました。
年金分割により年金をある程度確保できるようになったため、安心して離婚を選ぶ女性が増えたと言えます。
また、夫の定年退職後、家にいる時間が増えても家事をしない夫に対する不満が爆発するケースも多くあります。
家事分担の偏りが夫婦関係に与えるストレス
家事分担の偏りは、妻に過剰な負担とストレスをもたらします。
共働き夫婦の調査では、女性の約68%が家事の7割以上を担当していることが分かっています。
フルタイム勤務している妻の平日の家事時間とウェルビーイング(心身の健康や幸福)には、負の相関があるという調査結果も出ています。
つまり、家事時間が長いほど心身の健康が損なわれるということです。
家事の負担が一方的に偏ると、「自分ばかり大変」という不満が増大します。
コミュニケーションの減少により、夫婦の会話が減り、距離が生じます。
妻が「私だけが犠牲になっている」と感じることで、夫婦関係のバランスが崩れてしまうのです。
2.なぜ夫は家事をしないのか

「家事は女性の仕事」という固定観念
多くの夫が「家事は女性の仕事」という固定観念を持っています。
自分(男性)は働いていれば、家事をする必要がないと思っている場合、家事をしない夫が完成します。
一昔前は男性が主に外で働き、女性が家庭内で家事や育児を担当するという役割分担が一般的でした。
このような固定観念は長い間根強く残っており、男性が家事をする必要性を感じない原因となっています。
また、実際に母親が家事を担い、父親が全く家事をしないのを見て育っているのも原因です。
育った環境が、家事に対する考え方に大きく影響しているのです。
内閣府の調査によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に反対する者は増加傾向にありますが、実際の行動には結びついていない様子が伺えます。
家事スキルがないことへの不安
夫が家事をしない理由の一つに、家事スキルの不足があります。
家事のやり方が分からない、やってもうまくできないという不安から、家事を避けてしまう男性が多いのです。
料理の仕方、洗濯物の干し方、掃除の順序など、具体的な方法を知らないため、手を出せないのです。
また、家事をしてくれるが適当で大雑把なので、結局妻がやり直さなければいけなくなるというケースもあります。
できないことを指摘されると傷つくため、最初から家事をしないという選択をしてしまうのです。
このような状況では、夫は家事に対する自信を失い、ますます家事から遠ざかってしまいます。
家事の重要性や負担を理解していない
夫は家事の負担が分かっていないことが多いのです。
料理一つとっても、献立を考え、買い出しに行き、調理し、片付けるまでの一連の作業があります。
しかし、夫は完成した料理だけを見ているため、その過程の大変さを理解していません。
家事には「見えない家事」と呼ばれるものがたくさんあります。
トイレットペーパーの補充、調味料の在庫管理、ゴミの分別など、細かい作業が積み重なっています。
これらの「見えない家事」を含めると、家事の負担は想像以上に大きいのです。
たとえば、毎日の家事や育児のスケジュールを具体的に(できれば時間を計測したうえで)話すことで、家事をしない夫にもイメージしやすくなります。
仕事や趣味を優先してしまう心理
夫が家事をしない理由の一つに、やりたいことが多くて家事を後回しにしてしまうということがあります。
男性は、仕事や趣味、個人的な興味や活動に時間や労力を使ってしまう傾向があります。
家事に必要性を感じていない男性は、結果として家事を後回しにしてしまう一因となっています。
仕事で疲れた後は休息が必要だと考え、家事よりも自分の時間を優先してしまうのです。
また、「手伝う」という意識も問題です。
家事を「手伝う」と考えている時点で、家事は妻の仕事であり、自分はサポート役という認識になっています。
本来、家事は夫婦が共に担うべきものであり、「手伝う」という意識自体が間違っているのです。
3.家事をしない夫との離婚を考える前にすべきこと

夫婦で本音で話し合うための準備
離婚を考える前に、まずは夫婦でしっかりと話し合うことが大切です。
夫婦とはいえ育った環境も価値観も異なります。
問題があれば、そのたびに話し合って価値観をすり合わせたうえで、譲歩しあう必要があります。
せっかく縁あって夫婦となったのですから、コミュニケーションをとることをあきらめず、改善のために話し合ってみましょう。
話し合う際には、次の点に注意してみましょう。
夫を一方的に責めるのではなく、「大変だから二人で努力して乗り切る」という姿勢で話すことが重要です。
夫と敵対するのではなく、協力して家庭を築くという意識を持ちましょう。
妻に意見があるように夫にも意見があるので、夫の意見も聞くことが大切です。
お互いの考えを理解し合うことで、解決の糸口が見えてくるはずです。
家事の負担を具体的に可視化する方法
家事の負担を可視化することで、夫に現状を理解してもらうことができます。
まず、家事の負担についてまとめておきましょう。
何が辛いのか、どんなことにストレスを感じているのか、自分の感情を書き出しておきましょう。
家事をしないことなのか、労いがないことなのか、自分の時間がないことなのか、人によって何を負担に感じているのか違うはずですから。
感情を正直に伝えることで、相手に自分の気持ちを理解してもらいやすくなります。
たとえば、毎日の家事や育児のスケジュールを具体的に(できれば時間を計測したうえで)話すことで、家事をしない夫にもイメージしやすくなります。
家事リストを作成し、どの家事にどれくらいの時間がかかっているのかを可視化するのも効果的です。
もしかしたら、家事の大変さを理解してもらうだけで、精神的な負担が一気に軽くなる場合もあります。
家事分担について具体的に取り決める
家事分担について具体的に話し合うことが重要です。
家事分担の話し合いでは、お互いに得意な家事を担当するというルールが最も多くなっています。
たとえば、料理が得意な方が料理を、掃除が得意な方が掃除を担当するなど、得意分野を活かした分担が効果的です。
また、家事をタスクとして視覚化することも有効です。
内閣府では、家事や育児の分担について話し合うための「夫婦が本音で話せる魔法のシート」を作成して配布しています。
このようなツールを使いながら、夫婦で家事の分担について話し合ってみるのもよいでしょう。
家事分担のルールを決めたら、それをしっかり守ることが大切です。
調査によると、ルールを決めている夫婦の8割以上がお互いに家事分担のルールを守っていると回答しています。
すぐに改善されることを期待しない心構え
家事分担について話し合っても、すぐに改善されるとは限りません。
人の行動や習慣を変えるには時間がかかります。
いくら夫婦でも本人が「変わりたい」と思わなければ変えることはできません。
すぐに改善されることを期待せず、長期的な視点で取り組むことが大切です。
小さな変化でも認めて、褒めることが重要です。
夫が家事をしたら、大げさに感謝の気持ちを示すことで、夫の自主的な家事参加を促しましょう。
最初は簡単な家事から始めてもらい、徐々に難しい家事にチャレンジしてもらうという段階的なアプローチも効果的です。
また、完璧を求めないことも大切です。
最初から完璧にできる人はいません。
多少雑でも、家事に参加してくれたことを評価しましょう。
4.家事をしない夫と離婚する際の注意点

協議離婚・調停離婚・裁判離婚の違い
離婚には大きく分けて3つの方法があります。
まず、協議離婚は夫婦の話し合いのみで離婚をする方法です。
令和5年に離婚をした夫婦のうち、約87%もの夫婦が協議による離婚を選んでいます。
夫婦双方が離婚に合意し、離婚届を提出すれば離婚が成立します。
次に、調停離婚は夫婦による話し合いが成立しない場合に、調停委員を間に入れて話し合いをする方法です。
全体の約7.5%の夫婦が調停によって離婚をしています。
家庭裁判所に調停を申し立て、調停委員が間に入って話し合いを進めます。
最後に、裁判離婚は調停でも合意に至らなかった場合に、裁判所に離婚を判断してもらう方法です。
離婚というと裁判をイメージされるかもしれませんが、裁判離婚は全体でみると1%であり、和解に至ったケースを含めても約2.5%です。
ただし、「家事をしない夫」という理由だけでは、法定離婚事由には該当せず、裁判離婚を認めてもらうことはできません。
家事をしない夫と別居をして長期間が経過している、「家事は女性の仕事」という考えに固執してモラハラを繰り返すなど、他の事情が必要になります。
財産分与で妻が有利になるケース
離婚する際には、財産分与として、婚姻期間中に夫婦で協力して築いた財産を分け合う必要があります。
共働きの場合、当然夫婦双方にある程度の収入があり、その収入額に差があることも少なくありません。
しかし、その場合でも、財産分与の割合は基本的には2分の1ずつになります。
収入が少ない方が家事や育児等で家庭をサポートしていることが多く、その場合、夫婦の財産形成に貢献しているといえるからです。
他方で、妻の収入の方が高いにもかかわらず夫が一切家事をしないような場合には、妻の方が財産形成に対する貢献度が高いとして、2分の1以上の財産分与を得られる可能性があります。
このように、家事をしない夫との離婚では、財産分与の割合を有利に進められる可能性があるのです。
ただし、これを証明するためには、妻がどれだけ家事を負担していたか、夫がどれだけ家事をしていなかったかを具体的に示す必要があります。
養育費や親権について知っておくべきこと
離婚する際に子どもがいる場合、養育費と親権について決める必要があります。
養育費とは、子どもが経済的・社会的に独り立ちできるようになるまでに要する生活費、医療費、教育費などの費用のことです。
厚生労働省の調査によると、養育費の平均支給額は、母子家庭で月額5万485円、父子家庭では2万6992円となっています。
養育費の金額は、夫婦の収入や子どもの人数・年齢によって異なります。
裁判所が公表している「養育費算定表」を参考にすることで、適正な養育費の金額を把握することができます。
また、親権については、子どもの福祉を最優先に考えて決定されます。
一般的には、主に子どもの世話をしてきた親が親権を取得することが多くなっています。
家事をしない夫は、子育てにも積極的でないケースが多いため、妻が親権を取得できる可能性が高いと言えます。
養育費については、口約束だけではなく、必ず書面に残すことが重要です。
離婚協議書を作成し、さらに公正証書にしておけば、もし支払われなかった時に強制執行(差し押さえ)することができます。
弁護士に相談するタイミングと方法
離婚を考えたら、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
特に、「家事をしない夫」という理由以外に裁判離婚が可能な事情があるかどうかを判断してもらうとよいでしょう。
法定離婚事由の有無によって、今後の離婚手続きの進め方が変わってきますので、離婚を決意したら早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に相談すれば、育児・家事をしない夫との離婚を進めるうえでのアドバイスや、裁判離婚になった場合のサポートを受けられるなどのメリットがあります。
また、弁護士に間に入ってもらうことで、養育費の他の様々な問題(財産分与、慰謝料、面会交流等)も適切に解決できることが期待できます。
離婚を決意した当事者は、相手に対して不信感、怒り、恐怖心などの悪感情を持っている場合がほとんどです。
そのため、養育費についても、相手と冷静に協議することは難しいと思われます。
離婚専門の弁護士が間に入ることで、養育費を始めとする様々な離婚条件について、冷静に交渉できるというメリットがあります。
無料相談を行っている法律事務所も多いので、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 家事をしない夫がいる家庭は、妻が信頼できなくなり離婚率が高くなる傾向がある
- 同居期間5年未満の離婚が最も多く、出産や子育て期の家事分担が重要である
- 熟年離婚が増加しており、長年の家事分担の不満が蓄積している
- 共働き夫婦の約8割が「妻の家事負担が7割以上」と回答している
- 「家事は女性の仕事」という固定観念が夫の家事参加を妨げている
- 離婚を考える前に、夫婦で本音で話し合うことが大切である
- 家事の負担を可視化し、具体的に分担について取り決めることが重要である
- 離婚には協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つの方法がある
- 妻の方が財産形成に貢献している場合、財産分与で有利になる可能性がある
- 養育費や親権については、早めに弁護士に相談することをおすすめする
家事をしない夫との関係に悩んでいる方は、まずは話し合いから始めてみましょう。
それでも改善が見られない場合は、専門家に相談することで、より良い解決策が見つかるかもしれません。
あなたと家族の幸せな未来のために、一歩踏み出す勇気を持ってください。
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