卵の賞味期限切れ5日は食べられる?安全な見分け方と保存方法を解説
あなたは「冷蔵庫の卵が賞味期限切れ5日過ぎているけど、もったいないから捨てたくない」と悩んだことはありませんか?結論、卵は賞味期限が切れても適切に加熱すれば安全に食べられます。この記事を読むことで賞味期限切れの卵を安全に食べる方法や、見分け方、保存のコツがわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
Contents
1.卵の賞味期限切れ5日は食べられる?基本知識

卵の賞味期限は「生食できる期限」を表している
卵のパックに記載されている賞味期限は、実は「生で安全に食べられる期限」のことです。
これは消費期限とは異なり、「おいしく食べられる期限」を示しています。
日本のガイドラインでは、一般的に採卵日から14日から28日程度の範囲で賞味期限が設定されます。
この期限は、卵かけごはんのような生食を前提として定められているため、加熱調理をする場合は賞味期限を過ぎても食べることができるのです。
つまり、賞味期限切れ5日程度であれば、きちんと加熱すれば問題なく食べられるということになります。
ただし、これは10℃以下の冷蔵庫で適切に保存されていた場合に限ります。
賞味期限切れ5日でも加熱すれば安全に食べられる理由
卵が長持ちするのは、卵白に含まれるリゾチームという抗菌酵素のおかげです。
このリゾチームが、細菌の増殖を強力に抑えてくれるため、卵は比較的長期間保存できる食品なのです。
研究によると、10℃以下で保存した場合、理論上は57日間も生食が可能とされています。
ただし、時間が経つとリゾチームの働きが弱まり、菌が増殖しやすくなります。
賞味期限切れ5日程度であれば、冷蔵保存していた場合は十分に安全な範囲内です。
しかし、必ず70℃以上で1分以上の加熱調理をすることで、より安心して食べることができます。
サルモネラ菌と卵の関係を知っておこう
卵を語る上で避けて通れないのが、サルモネラ菌による食中毒のリスクです。
サルモネラ菌は、鶏の腸管に存在する菌で、まれに卵の内部に侵入することがあります。
日本の卵のサルモネラ菌汚染率は約0.003%、つまり10万個に3個程度と非常に低い割合です。
万が一サルモネラ菌に汚染された卵を食べると、8時間から72時間の間に腹痛、下痢、発熱、嘔吐などの症状が現れる可能性があります。
しかし、サルモネラ菌は熱に弱く、70℃で1分以上加熱すれば死滅します。
これが、賞味期限切れの卵でも加熱すれば安全に食べられる理由なのです。
2.賞味期限切れ5日の卵を食べる前の確認ポイント

卵が腐っているかどうかの見分け方
賞味期限が切れてから5日経過した卵を食べる前には、必ず状態を確認することが重要です。
適切に冷蔵保存されていれば問題ない場合がほとんどですが、保存状態によっては腐っている可能性もあります。
腐った卵の特徴として、次のような点が挙げられます。
- 割った時にアンモニアや硫黄のような強烈な臭いがする
- 黄身や白身にハリがなく、だらっと広がる
- 黄身と白身がはっきり分かれず、すぐに混ざってしまう
- 明らかに変色している部分がある
これらの特徴が一つでも当てはまる場合は、食べずに廃棄してください。
割らずに外側から判断する方法
卵を割る前に、外側から腐敗の有無を判断する方法が2つあります。
一つ目は、水に浮かべる方法です。
新鮮な卵は水に入れると沈んで横に倒れますが、腐った卵は浮きます。
これは、時間が経つと卵の中のガスが殻の外に抜けて、内部に空気が入り込むためです。
二つ目は、光に透かしてみる方法です。
新鮮な卵は光に透かすと卵黄の輪郭が中央に見えますが、傷んでいる卵は卵黄が見えません。
ただし、これらの方法は参考程度にとどめ、最終的には割って臭いや見た目を確認することをおすすめします。
割った時にチェックすべき臭いと見た目
卵を割った瞬間の臭いは、最も重要な判断基準です。
腐敗した卵は、たんぱく質が腐敗することで強烈な悪臭を放ちます。
この臭いは「腐った卵の臭い」として誰もが本能的に避けるほど不快なものです。
少しでも異臭を感じたら、絶対に食べないでください。
見た目では、新鮮な卵は黄身が盛り上がっており、白身にも厚みのある濃厚卵白の部分があります。
一方、古くなった卵は黄身が平たく、白身も水っぽく広がります。
ただし、これは必ずしも腐敗を意味するわけではなく、鮮度の低下を示すサインです。
ヒビが入った卵は特に注意が必要
卵の殻にヒビが入っている場合は、賞味期限に関わらず特別な注意が必要です。
卵の殻は外部の雑菌から中身を守る重要なバリアの役割を果たしています。
ヒビが入ると、そこから雑菌が侵入し、通常よりも早く傷んでしまう可能性があります。
ヒビが入った卵は、賞味期限内であっても生食は絶対に避けてください。
加熱して食べる場合でも、ヒビが入ってから1日から2日以内に食べ切るのが安全です。
購入時や持ち帰る際にヒビが入らないよう、丁寧に扱うことも大切です。
3.賞味期限切れ5日の卵を安全に食べる方法

加熱温度と時間の正しい目安
賞味期限切れの卵を安全に食べるには、適切な加熱が絶対条件です。
サルモネラ菌を確実に死滅させるための加熱条件は、次のとおりです。
- 卵だけを調理する場合:中心温度70℃で1分以上
- 他の食材と一緒に調理する場合:中心温度75℃で1分以上
この温度と時間を守れば、万が一サルモネラ菌が付着していても死滅させることができます。
具体的には、ゆで卵なら黄身がしっかり固まるまで茹でる、目玉焼きなら両面をしっかり焼くといった調理法が適しています。
「なんとなく火が通った」程度では不十分なので、しっかりと中まで熱を通すことを意識しましょう。
半熟や生食は絶対にNG!しっかり火を通すコツ
賞味期限が切れた卵を食べる際に、最も避けるべきは半熟状態や生食です。
以下の調理法は避けてください。
- 卵かけごはん
- すき焼きの生卵
- 半熟卵
- 温泉卵
- トロトロのオムレツ
これらは火の通りが不十分で、サルモネラ菌が死滅していない可能性があります。
しっかり火を通すコツは、「黄身も白身も完全に固まるまで加熱する」ことです。
ゆで卵なら10分以上茹でる、卵焼きなら中までしっかり火が通るまで焼くといった工夫が必要です。
目安として、黄身を箸で割った時に、液体状の部分が一切ない状態になるまで加熱しましょう。
賞味期限切れの卵におすすめの調理法
賞味期限切れ5日程度の卵を使う場合、次のようなしっかり加熱する調理法がおすすめです。
- 固ゆで卵:10分以上茹でて、黄身まで完全に固める
- 卵焼き:中までしっかり火を通して、ふんわり仕上げる
- 炒り卵:よくかき混ぜながら、しっかり火を通す
- オムライス:卵に完全に火を通したタイプで作る
- 茶碗蒸し:蒸し時間を長めにして、中まで加熱する
- 卵スープ:沸騰したスープに溶き卵を入れて、しっかり加熱する
これらの調理法なら、中心まで確実に加熱できるため安心です。
特に煮卵(味玉)は、固ゆで卵を調味液に漬けるだけで作れ、冷蔵庫で4日から5日保存できるのでおすすめです。
4.卵を長持ちさせる正しい保存方法

冷蔵庫での保存が基本!適切な温度管理
卵を長持ちさせる最も重要なポイントは、10℃以下の冷蔵庫で保存することです。
常温保存は、特に夏場は菌の増殖が非常に早くなるため絶対に避けてください。
38℃の真夏日に1日常温で置いておくと、それだけで危険な状態になってしまいます。
購入したら、すぐに冷蔵庫に入れることが鉄則です。
冷蔵庫のドアポケットに卵を保存している方も多いですが、実はこれはあまり推奨されません。
ドアの開閉による温度変化が激しいため、できれば冷蔵庫の奥の方に置くのが理想的です。
また、卵の表面には空気を通す気孔という穴があるため、濡れた状態で保存すると雑菌が繁殖しやすくなります。
卵のパックのまま保存するメリット
卵は購入時のパックに入れたまま保存するのがおすすめです。
パックには次のようなメリットがあります。
- 卵同士がぶつかってヒビが入るのを防ぐ
- 冷蔵庫内の臭いが卵に移るのを防ぐ
- 湿気や乾燥から卵を守る
- 賞味期限の確認がしやすい
卵には気孔があるため、冷蔵庫内の強い臭いを吸収してしまうことがあります。
パックごと保存することで、このような臭い移りを防ぐことができます。
また、卵は尖った方を下にして保存すると、気室(丸い方にある空気の部屋)が上になり、鮮度が保たれやすくなります。
パックに入れたまま保存すれば、自然とこの向きになるため便利です。
ゆで卵にすると賞味期限が短くなる理由
「卵は茹でた方が日持ちするのでは?」と思っている方も多いかもしれませんが、実はゆで卵の賞味期限は生卵よりも短くなります。
これは、加熱することで卵白に含まれる抗菌酵素リゾチームの働きが失われてしまうためです。
リゾチームは熱に弱く、加熱すると抗菌作用がなくなってしまいます。
ゆで卵の賞味期限の目安は以下のとおりです。
- 殻付きの固ゆで卵:冷蔵庫で3日から4日
- 殻をむいたゆで卵:冷蔵庫で半日から1日
- 半熟卵:当日中
特に半熟卵は傷みやすいため、賞味期限切れの卵では作らないようにしましょう。
ゆで卵を作る場合は、作ったらできるだけ早く食べ切ることが大切です。
冷凍保存はおすすめできない理由
殻付きの卵を冷凍保存することは、基本的におすすめできません。
卵を冷凍すると、中身が膨張して殻が割れてしまう可能性があります。
また、解凍後の卵は白身はある程度元に戻りますが、黄身は固まったままで生食には向きません。
溶き卵にして冷凍することは技術的には可能ですが、卵は細菌が繁殖しやすい食品のため、家庭での冷凍保存は避けた方が無難です。
冷凍・解凍の過程で温度管理が不十分だと、食中毒のリスクが高まります。
卵は比較的長持ちする食品なので、冷蔵保存で計画的に使い切るのが最も安全な方法です。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 卵の賞味期限は「生食できる期限」であり、加熱すれば期限切れ後も食べられる
- 賞味期限切れ5日程度なら、冷蔵保存していれば加熱調理で安全に食べられる
- サルモネラ菌は70℃で1分以上の加熱で死滅するため、しっかり火を通すことが重要
- 腐った卵は強烈な臭いがするため、割って確認することが大切
- ヒビが入った卵は賞味期限内でも生食を避け、早めに加熱して食べる
- 半熟卵や温泉卵など、火の通りが不十分な調理法は避ける
- 卵は10℃以下の冷蔵庫で保存し、購入時のパックに入れたまま保管する
- ゆで卵は生卵より賞味期限が短くなるため、作ったら早めに食べる
- 冷凍保存は家庭では推奨されないため、冷蔵保存で計画的に使い切る
卵は正しい知識を持って扱えば、賞味期限が多少過ぎても無駄にせず食べることができます。ただし、安全第一で、少しでも異常を感じたら食べずに廃棄する勇気も大切です。この記事を参考に、卵を上手に活用して、おいしく安全な食生活を楽しんでくださいね!
関連サイト
一般社団法人 日本卵業協会



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